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いびき・睡眠時無呼吸症

あなたのいびき大丈夫?

近年、健康寿命の延伸において睡眠の重要性が再認識されています。日本では生活様式の変化に伴い、睡眠の長さや質が犠牲になり、平均睡眠時間は主要国の中でも最短レベルです。
また、睡眠呼吸障害は睡眠の質を悪化させ日中のパフォーマンスの低下や循環器疾患の発症や悪化を促す要因となっています。特に歯科領域では、いびきや睡眠時無呼吸症の治療が注目されており、スリープスプリントなどの治療法による改善が期待されています。人生の約1/3を占める睡眠について、今一度見直してみませんか?

睡眠時無呼吸症について

睡眠時無呼吸症(Sleep Apnea)は、睡眠中に呼吸が何度も止まる状態を指します。特に「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)」は、空気の通り道(上気道)が塞がれることで呼吸が止まり、酸素不足や睡眠の質の低下を引き起こします。日本でも5~10%の人がこの症状を持っているとされ、決してまれな病気ではありません。

睡眠時無呼吸の症状

主な自覚症状としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 大きないびき
  • 睡眠中に呼吸が止まる
  • 日中の強い眠気や集中力の低下
  • 起床時の頭痛や口の渇き
  • 夜間の頻尿や中途覚醒

これらの症状が思い当たる方は、早めの検査・対策が大切です。

睡眠時無呼吸の病態

OSAでは、睡眠中に舌や軟口蓋が喉の奥に落ち込み、気道が塞がれます。その結果、呼吸が一時的に停止し、酸素不足になります。脳は呼吸を再開させるために身体を覚醒させるため、深い眠りを妨げ、睡眠の質が低下します。これが毎晩繰り返されることで、身体にも脳にも大きな負担がかかります。

睡眠時無呼吸になりやすい局所的要因

以下のような局所的な特徴があると、OSAを引き起こしやすくなります。

  • 下あごが小さい
  • 肥満
  • 枕が高すぎる
  • 扁桃肥大
  • 鼻づまり

これらの症状が思い当たる方は、早めの検査・対策が大切です。

OSAを治す目的は

OSAの治療は単なる「いびき改善」ではありません。慢性的な酸素不足や睡眠の質の低下が、心疾患・高血圧・糖尿病・脳卒中・認知症などのリスクを高めることが知られています。治療の目的は、「深く質の高い睡眠を取り戻し、日中の生活の質を上げ、将来の健康リスクを予防すること」です。

睡眠時無呼吸の治療

睡眠時無呼吸の治療は、症状の程度や原因によって異なります。主な治療法は以下の通りです。

睡眠体位の改善

仰向けで寝ると無呼吸が悪化しやすいため、横向き寝を促す工夫。

生活習慣の改善

減量、禁煙、アルコール制限など。

外科療法(医科での治療)

扁桃摘出術、鼻中隔矯正など(重症例)。

CPAP療法(医科での治療)

持続的気道陽圧装置による治療(中等度〜重度)。

スリープスプリント(口腔内装置)

軽度〜中等度のOSAに効果的で、歯科で対応可能な治療法。

スリープスプリント(口腔内装置)のメリット

スリープスプリントは、下あごを前に出すような形状の口腔内装置です。以下のようなメリットがあります。

効果的で快適な治療

軽度~中等度のOSAに高い効果があり、無理なく継続できます。

自然な睡眠をサポート

気道を確保し、呼吸のリズムを整えることで、深い眠りを取り戻せます。

メンテナンスが簡単

日々の手入れがしやすく、清潔に保てます。

持ち運びもしやすい

旅行や出張の際にも便利で、CPAPと比べて携帯性に優れています。

スリープスプリント(口腔内装置)療法

スリープスプリント療法では、患者さん個別の口腔内形状に合わせた口腔内装置を作製し、就寝時に装着することで下あごを前に出し、気道の閉塞を防ぎます。医科との連携のもと、適切な診断と治療計画を立てたうえで、安全かつ効果的に実施されます。装置の調整、アフターケアも歯科医院で対応可能です。

スリープスプリント(口腔内装置)装着までの流れ

  • Step01
    医科での診断(睡眠検査)

    まずは専門医による睡眠検査(PSGや簡易検査)を受け、診断を受けます。

  • Step02
    歯科での適応確認

    診断書をご持参ください。口腔内の状態や顎の動きを確認し、装置の使用が適しているかを判断します。

  • Step03
    装置の製作

    適応が確認された場合スリープスプリント作成の型取りをします。

  • Step04
    装着・調整

    完成したスリープスプリントを初期設定値で下顎前方移動させて仮固定した後、数日間使用感を確認してもらいます。

  • Step05
    装着・調整

    幾度か繰り返し最適な位置が見つかった位置で本着します。

  • Step06
    睡眠検査・評価

    睡眠検査を行い装置の効果や評価を行います。

治療後は定期検診へ

歯科領域では、睡眠時無呼吸症の治療として、マウスピース(口腔内装置)療法を保険適応で提供しています。
軽度から中等度の症状に対して、歯科医院で作成したオーダーメイドのマウスピースを使用し、気道を確保することで症状を軽減します。
保険診療で対応可能ですので、費用面での負担を軽減しながら、効果的な治療を受けることができます。詳しくは当院スタッフにお気軽にご相談ください。