むし歯予防(フッ素編)【歯科コラム】
こんにちは。広島市南区東雲本町にある江夏歯科医院です。
今回はフッ素を使ったむし歯予防についてお話しいたします。
むし歯を予防するには日々の歯磨きが重要です。
その際、『フッ素』を配合した歯磨剤やフッ素洗口液を使うのがベストですが、
フッ素によるむし歯予防の基本から、リスクに応じたペースト・ジェル・洗口液の選び方について
お伝えします。
≪フッ素でむし歯予防ができる3つの理由って?≫
フッ素は次の3つの効果をもつ
1. プラークによる酸の産生を抑えて歯の脱灰を抑える
2. 再石灰化を促進して溶け出した歯を修復する
3. 歯質を強化して、酸に溶けにくい歯にする
特に乳歯や生えたての永久歯は軟らかいので、再石灰化を促進させるためにも、
フッ素配合の歯磨剤を使うことは必要です。
そのためにも正しいフッ素配合歯磨剤の使用方法についても知ることが大切です。
≪フッ素の効果を高める使い方のポイントは3つ!≫
口腔内にフッ素を長く留めるのがポイント
1. 年齢に応じた適正な量を使う
2. 使用後の洗口量をなるべく少なくする
3. 1日の使用回数を多くする
1. 年齢に応じた適正な量を使う
フッ素配合の歯磨剤はたくさん使えば良いというものではない。
年齢に応じて量を使い分けることが大切。
年齢による使用量の目安は表を参考にしてみてください。
【フッ化物配合歯磨剤の年齢別使用量】
2. 使用後の洗口量をなるべく少なくする
フッ素を口腔内に長く留めるためには、使用後15 ml(大さじ1)の水で
1回洗口するのがベスト。
これはペットボトルのキャップ約2杯分の量です。
【少量洗口方法】
3. 1日の使用回数を多くする
「1日の使用回数を多くする」というのも大事なポイントです
≪フッ素は飲んじゃっても大丈夫なの?≫
【フッ素による急性毒性発現の閾値】
巷では「フッ素は危ない」といわれてしまうこともあります。
結論から言えば、通常の使い方をしている限りは安全です。
仮にフッ素配合の歯磨剤1回分を全て飲み込んでしまったとしても、
急性毒性を発現するフッ素の量には全く至りません。
一方、慢性毒性としてフッ素症がありますが、慢性毒性について気にすべきは
4歳ぐらいまでの乳幼児が大量に飲み込んでしまった場合のみで、
適量を1日3回使用している分には全く問題はありません。
≪むし歯リスクに応じた製品の使い分けで、さらに効果的なむし歯予防ができる≫
さらにワンランク上の提案として、ぜひむし歯リスクに応じた製品の使い分けを
していただきたい。
むし歯のリスクは、年齢・症状によって次のように分類することができます。
どの方も同じ歯磨剤ではなく、年齢・リスクに応じた製品の選択ができるようになると
予防効果も上がります。
【年齢・症状によるむし歯のリスク分類】
≪年齢・リスクに応じた製品選びのポイント≫
基本的には毎食後清掃剤(研磨剤)が配合された「ペースト」の歯磨剤で歯の汚れを落とす。
むし歯リスク が” 中” の場合、「ペースト」に加え、
就寝前に「ジェル」を歯全体に塗布するようにブラッシングすると効果的です。
むし歯リスクが” 高”の場合、「洗口液」を使って、
より多くのフッ素が口腔内に残せるプラスケアがおすすめです。
また、うがいが苦手な乳幼児や高齢者は、すすぎが簡単な「フォーム」タイプが適しています。
いろいろなタイプの製品がでていますので、詳しい使い方については、メーカーさんに尋ねてみてく
ださい。