知覚過敏
こんにちは。広島市南区東雲本町にある江夏歯科医院です。
今回は知覚過敏についてお話しいたします。
知覚過敏って何?どんな症状?
知覚過敏とは、むし歯でもないのに歯がしみたり痛みを感じたりする現象のことをいいます。
知覚過敏では、ほとんどは数秒。
下記のようなタイミングで歯がしみることがあります。
- 歯ブラシの毛先が触れた
- 冷たい飲食物を口にした
- 熱い飲食物を口にした
- 甘い物を食べた
- 冷たい風にあたった など
原因として
1.歯肉が下がって歯根が出てきた
歯周病や加齢により歯肉が下がってくると歯根が露出してしみるようになります。
2.歯ぎしりや食いしばり
歯ぎしりや食いしばりなどの過剰な噛み合わせの負担も原因になっていることが分かっています。
3.歯磨きの力が強すぎる
歯磨きの力が強すぎると、歯肉が下がりやすくなり歯根が露出してきます。
4.歯がすり減ってきた
毎日噛んで擦り合わせていることにより、噛む面はすり減ってきます。それにより中の象牙質が露出すると、しみることがあります。
5.酸により歯が溶かされた
酢や炭酸飲料、スポーツ飲料、ワインなど酸性の強い飲食物は歯を軟らかくする性質があります。
逆流性食道炎などで胃酸が上がってきたときも同様に歯が溶かされていることがあります。
すっぱいものを食べた後には、酸を中和する牛乳やチーズなどの乳製品を摂取したり、お茶を飲んだりすると良いでしょう。
6.むし歯治療後の知覚過敏
むし歯などの治療で歯を削った後、歯石を取った後なども知覚過敏になることがありますが、ほとんどのケースでは自然に落ち着きます。
7.歯のホワイトニングに伴うもの
歯のホワイトニングに使う薬剤で知覚過敏が出ることが知られています。一時的なもので、処置をやめれば落ち着いてきます。
中でも知覚過敏の原因として、日常最もありがちなのは歯ぎしりです。
歯ぎしりは覚醒中にも就寝中にも生じ歯に強い持続圧が加わるため知覚過敏が生ずる有力な原因となります。
治療は、原因となっている要因を出来るだけ除去したのち、対処療法に移行します。
対処療法としては、次の8つがあります。
知覚過敏予防のための製品【ホームケア製品の例】
①知覚過敏予防用歯磨剤
知覚過敏用の歯磨剤は、硝酸カリウムという成分により
歯の神経を興奮しにくくさせて痛みを感じるのを抑えます。
②フッ化物塗布
【チェックアップフォーム(ライオン)、ジェルコートF(ウェルテック)等】
③MIペースト(GC)、CPP-ACP(リカルデント)等
による再石灰化促進。
歯科医院での処置
④樹脂でカバーする
歯が大きく凹んでいたりくさび状に欠けていたりする場合には、もともとの歯の形を想定して樹脂の材料を詰める。
⑤薬を塗る
歯の神経の外側にある層、象牙質が露出するとしみる、その露出した象牙質の表面に歯と同じような成分の結晶でできている薬を塗る。
⑥マウスピースをつける
起きているときの食いしばりは、意識することで回数を減らし、寝ているときの歯ぎしりはマウスピースをつけることにより過剰な負担が歯にかからないようにします。
⑦歯周病の治療をする
歯周病によって歯肉が下がると歯根が露出してきて知覚過敏が出やすくなります。
⑧神経を取ってしまう
これは最後の手段です。知覚過敏が生活に支障をきたすレベルで耐えられない場合には
痛みを感じる神経を取ってしまえばもちろんしみなくなります。
自然治癒することはあるの?
知覚過敏は症状が出てから1~3年ほどで自然に治ってしまうこともあります。これは象牙質の露出している部分で唾液の成分や歯磨き粉のフッ素などによって再石灰化がおこったり、
神経の防御反応で神経の周りに壁を作ったりすることによります。
これらを組み合わせながら、最も効果的な方法を模索します。