健康寿命に影響及ぼし兼ねない運動!!8020運動
こんにちは。広島市南区東雲本町にある江夏歯科医院です。
今回は8020運動についてお話しいたします。
8020運動とは、平成元年に厚生労働省と日本歯科医師会が提唱した
「80歳まで20本以上自分の歯を残し、何でもよくかめる快適な口腔状態を保つよう取り組みましょう」という運動のことです。
ではなぜ20本かというと、
自分の歯が20本あればほとんどの食べ物をかみ砕くことができ、
ご飯を美味しく食べることができるといわれているからです。
≪歯の喪失原因≫
ほとんどの歯は歯科医院での抜歯処置を経て喪失に至ります。
図1: 抜歯の主原因(全体)と抜歯の主原因別にみた抜歯数(年齢階級別、実数)[1]
【図1】は2018年に全国2,345の歯科医院で行われた全国抜歯原因調査結果です(円グラフは全年齢、棒グラフは年齢階級別)。
【歯が失われる原因】で最も多かったのが
「歯周病」(37%)
「むし歯」(29%)
「破折」(18%)
「その他」(8%)
「埋伏歯」【注】(5%) 【注】歯冠(歯の頭)が正常に生えないで、顎骨内あるいは口腔粘膜下に隠れている歯をいいます。
「矯正」(2%)の順でした。
このうち「破折」の多くは、外傷など物理的に非日常的な大きな力が作用したものではなく、
無髄歯(神経をとった歯)と考えられ、原因は「むし歯由来」とみなすことができますので、
「むし歯由来」は47%となり、抜歯の最大原因となります。
抜歯原因を【年齢階級別】にみますと、
「歯周病」と「破折」による抜歯は中高年、
「埋伏歯」と「矯正」は若い年代に多く、
「むし歯」はどの年齢層でも多くなっています。
≪どの歯が喪失しやすいか≫
2016年に行われた歯科疾患実態調査による歯ごとの喪失状況を年齢階級別にみますと、
全体的に歯は奥歯から失われる傾向にあります。
奥歯が失われると、その前方にある歯は噛み合わせを支持する力が弱いため、
より失われやすくなるという悪循環を生みます。
いわゆる「出っ歯」の多くは、もともと歯並びが悪い場合もありますが、その多くは歯周病で奥歯が失われ、
前歯の負担が大きくなったため、歯が前方に傾きグラグラの状態になってしまった場合が多いのです。
人間の三大欲望【食う・寝る・遊ぶ】
食べる楽しみは生きる意欲にも繋がりますので、「8020運動」を目標に歯を大切にしていきましょう。
文:佐々木 桃子