虫歯になりやすい飲み物は『酸性』で『甘い』【虫歯体質要注意!】
こんにちは。広島市南区東雲本町にある江夏歯科医院です。
今回は『むし歯になりやすい飲み物』についてお話しいたします。
炭酸飲料は虫歯になりやすい
飲み物には、水やお茶をはじめ、コーヒー、ジュース、炭酸飲料など様々な種類があります。
その中でも特に「炭酸飲料はむし歯になりやすい」という話を耳にしたことがある人も
多いのではないでしょうか。
なぜそのように言われるのか、本当にそうなのかについて説明していきたいと思います。
むし歯になりやすい環境とは
《むし歯になりやすい環境》について説明します。
歯に悪い影響を与える飲み物とは、歯を溶かしてしまう「酸性」の飲み物と
むし歯菌のエサになる「甘い」飲み物です。
飲み物にはph値がある
飲み物にはph値(液体が酸性なのか、アルカリ性なのかを教えてくれる値)というものがあります。
数値は1から14まであり、7が中性、7より下が酸性、7より上がアルカリ性になります。
本来、口の中のph値は7.0近辺であり、ほぼ中性にあたります。
この値が5.5以下になると歯が溶け始めるといわれています。
このことを踏まえ、炭酸飲料がむし歯になりやすいといわれている理由について説明いたします。
炭酸飲料がむし歯になりやすいといわれている理由
炭酸飲料は「酸」を含む飲み物で、
酸は歯のエナメル質を溶かしてしまいます。
また、炭酸飲料は非常に多くの砂糖を含んでおり、
口の中のむし歯菌が糖を取り込んで酸を出し、歯を溶かしていくとされています。
では、次に私たちが普段口にしている飲料のph値と
含まれている砂糖の量を見ていきたいと思います。
普段口にする飲料のph値と含まれている砂糖の量
「水」… ph値=5.8以上8.6以下、 角砂糖0個分/500ml
「牛乳」… ph値=6.8、 角砂糖0個分/500ml
「お茶」… ph値=6、 角砂糖 0個分/500ml
「缶コーヒー」… ph値=6.2、 角砂糖3個分/500ml
「スターバックス® エスプレッソ」…ph値=5、 角砂糖10個/500ml
「スターバックス® カフェラテ」 角砂糖12,5個分/500ml
「オレンジジュース」… ph値=4、 角砂糖 12個分/500ml
「スポーツ飲料」…ph値=3,5、 角砂糖 9個分/500ml
「午後の紅茶 レモンティー」 角砂糖11個/500ml
「乳酸菌飲料」… ph値=3.4、 角砂糖18個分/500ml
「コカ・コーラ」… ph値=2.1、 角砂糖17個分/500ml
オレンジジュースから下の飲み物はph値が5.5以下で、かつ砂糖を多く含んでいることがわかります。
商品によって含まれる糖質の量は異なるので、栄養成分表示を確認するようにしましょう。
缶コーヒーの事例
例えば、缶コーヒーの表示を参考に見てみます。
内容量250gなので8,2g×2,5=約20gの炭水化物が入っています。
炭水化物=糖分=砂糖と考えると、3gのスティックシュガー約7本分。
そんな量入っていると思わずに飲んでいますね。
ペットボトル飲料中の砂糖の量をスティックシュガーに置き換えてみた
ペットボトル飲料中に入っている砂糖の量をスティックシュガーに置き換えて
入れてみたものを参考にしてみてください。
コカ・コーラは900mlで1本あたり約101g(HPによると、100gあたり11.3g含まれる)
スティックシュガー約33本!すごい量です。
これを見ると、歯の健康のためには何を飲むと良いのかが一目瞭然だと思います。
砂糖の入った飲料を摂る際に気を付けてほしいこと
ですが、たまには水・お茶・牛乳以外のものも飲みたくなりますよね。
そのような際に気を付けてほしいことが3点あります。
❶ダラダラ飲みを控える
❷お茶や水を追加で飲んだり、うがいをしたりする
❸必ず歯を磨く
ダラダラと飲み続けると、唾液の働きによる中和はされず
口の中が酸性に傾いたまま歯が溶かされ続けます。
以上のことを頭に入れて、自分のお口の健康は自分で守りましょうね。
文:佐々木桃子